LIVESENSE Data Analytics Blog

リブセンスのデータ分析、機械学習、分析基盤に関する取り組みをご紹介するブログです。

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技術×マーケでメールマーケティングを進めていくぞ!という気持ち

はじめに

こんにちは。テクノロジカルマーケティング部でアナリストをしております、高橋です。

さて、今回のテーマはメールマーケティングです。とその前に、我々の部署名の由来についてご紹介します。「テクノロジカルマーケティング」には、単なる技術開発にとどまることなく技術をビジネス価値に転換する、あるいは技術のチカラでお客様を幸せにするサービスを創る、そんな想いが込められております。

このような思想のもと、メールマガジンの在り方や運用を見直し、テクノロジーとマーケティングの両面から変革していこうとする取り組みが、今年の1月にスタートしました。本記事ではその概要と、何を目指していきたいかについてお話しできればと思います。これまで本ブログでも紹介してきました、LivesenseAnalytics(データウェアハウス、以降LA)やLivesenseBrain(機械学習プラットフォーム、以降LB)の実践事例となります。

背景

舞台となりますのは、弊社が運用している中途採用メディアです。求人情報を載せたメールを求職者様に配信し、開封、URLクリックを経て、応募までいけば無事コンバージョンとなります。同メディアにおけるメールマーケティングの歴史は比較的古く、以前から協調フィルタリングやコンテンツベースのレコメンドアルゴリズムも採用されていました。

ただ、こうしたアルゴリズムをもとにしたレコメンドメールは、既存のメールとは独立にラインナップに追加されてきており、既存メールの中には全配信に近いメールも存在していました。またレコメンドメール自体も、リリース後数年を経過して十分なメンテナンスが出来ておらず、当初ほどのパフォーマンスが出なくなっていました。他にも同じような形で個々にメールマーケティングのテコ入れが行われてきた結果として、メールの送りすぎや、それに起因すると思われるオプトアウトの増加が発生していたというのがプロジェクト発足時の状況です。

新しいメールマーケティングの目指す姿

そこで、この取り組みでどういう状態にしていきたいかを検討し、以下の3点を目指す姿として定義しました。

1) 適切な求人

求人数はそれほど潤沢にあるわけでもないので、モデルの精度よりもルールベースに近い形でシンプルかつ柔軟に調整が効くロジックを採用。職種や勤務地、その他の条件(社風や給与など)ごとのマッチングを実現でき、メールのテーマに合わせてそれぞれのマッチングの強弱を変えることで、希望条件に合わせつつバリエーションを確保できる状態。どのメールにも何らかのマッチングロジックを適用し、全体の求人紹介精度を高い水準に保つ。

2) 適切な頻度

アクセスログや過去のメール反応をもとに、メールでのアプローチが有効と判断されるお客様には高頻度に、そうでない方にはあまり出しすぎないようにしながら、全体の配信数をコントロール可能。主力となるメールは優先的に高頻度に配信され、一方でお客様を飽きさせないよう様々な切り口から求人を紹介できるバリエーション豊かな構成。オプトアウトが低減され配信対象者数が増えることで、じわりじわりとCV期待値が上がっていく状態。

3) 適切な手段

顧客データの細かな分析結果(特に求人案件を閲覧するときの行動を中心に)に基づき、メールの件名・本文、配信する時間帯、文体やデザインのトンマナ、求人の数や掲載項目(属性)などをお客様ごとに変えていく、いわゆるパーソナライズがなされた状態。これらについては常にA/Bテストが走り、KPIを日々モニタリングしながら改善PDCAが並列超高速で回っている状態。パフォーマンスを上げるためのノウハウが蓄積され、将来的に他のメディアでの展開を見据える。

これらを仕組みとして用意することで、冒頭に述べたような技術とマーケの両輪でメール価値の最大化を実現できると考えています。メールマーケティング自体は比較的シンプルなマネタイズ構造ですので、ここをチューニングすることで早期のビジネスインパクトが見込めると判断しました。

取り組み内容

まだ一部実装が追いついていない箇所も含みますし、今後変更になる可能性も大いにあるのですが、少しだけ中身をお見せしたいと思います。

PLAN

週に一回の会議で、新規メールのアイデア出しをしたり、既存メールの改善点やA/Bテストテーマの検討を行います。新しいメールは最低でも週に一本投入するようにしていて、良好な結果が出ればそのままラインナップ入りとなります。改善やテストはスピードと数を重視していて、思いついたら即実行のスタンスで動いています。メディアの価値・信頼を毀損せず、なおかつ尖った内容の文面を書くというのは意外と大変なのですが、本文を少し変えただけでも結果が大きく変わるのがメールの面白いところです。現在は約60種類のメールが稼働しており、この数はさらに増えていく予定です。

DO

メール配信のキモである、リスト作成(誰にどの案件を紹介するか)はLBのインフラ上で実行されます。テーマに沿って求職者や求人案件をLAから抽出し、いくつかのマッチングやレスポンス予測を経て、リストが出力されるこの一連の処理は現在のところR言語で記述しています(試験フェーズのため)。使っているのはランダムフォレストやコサイン類似度などで、機械学習の初学者にも馴染みのあるものばかりです。これらの処理は全メールで共通のものになっていて、個々のマッチングを使うかどうかと、スコアの閾値設定を各メールで自由に設定できるようになっています。また、マッチングの際に算出されたスコアなどはLAに連携され、すぐに検証することが可能です。

CHECK

週に一回の会議で、データを見ながら翌週のラインナップを編成します。顧客セグメントごとに、曜日や時間帯などある程度決められた配信枠を設けてあり、そこにどのメールを当てはめていくかを検討します。ちょうど某アイドルグループの総選挙のような形で、神セブンと呼ばれるパフォーマンスTOP7メールがゴールデンタイムでの配信を勝ち取ります。改善の結果、頻繁に順位が入れ替わるので、総選挙は毎週行っています。正直を言うと、そのたびに設定を変えるのは面倒なところもあるのですが、飽きずに楽しむ秘訣と割り切って対応しています。

ラインナップ編成のイメージ
ラインナップ編成のイメージ

おわりに ~今後の展望~

始まったばかりの取り組みで今後の展望を語るのは時期尚早かもしれませんが、いくつか構想はあります。

まずは他のメディアへの横展開。テクマのような全社横断組織で運用している意義がここにあります。次に他のチャネルへの縦展開。メール以外でもお客様にアプローチできる手段は色々あるかと思いますので、それらを併用しながら相乗効果を狙っていくのが一つの目標です。また、営業との連携。メールマーケティングの取り組み自体をクライアントに興味を持ってもらうことで、求人案件を掲載したいと思っていただける状態を作りたい。そして最後に、利用してくださるお客様の幸せな転職の機会を少しでも増やせるようになればと思いながら、これから頑張っていきます。

それでは続きはまた次回に。最後までお読みいただき、ありがとうございました。